「担任の先生と、もっと良い関係を築けたらいいな」。そう思いつつ、どう距離を縮めればいいのか分からない。送り迎えのときに会釈はするけれど、それ以上どう関わればいいのか……。そんなふうにモヤモヤしているお母さん・お父さんは、きっと多いと思います。
わたしは小学校の教員を10年つとめて、たくさんの保護者の方とお付き合いしてきました。そして今は、3人の子のうち1人が小1。今度は「先生とお付き合いする親」の側です。両方の席に座ってみて、はっきり言えることがあります。先生と良い関係をつくるのに、特別なことは何もいりません。むしろ、頑張りすぎないほうがうまくいく、というのが正直なところです。
今日は、先生側の「本音」も少しだけ正直にお話ししながら、肩の力を抜いて先生と付き合うコツをお伝えします。差し入れもおべっかも、いりません。もっとシンプルな話です。

先生が「ありがたい」と感じる保護者は、こんな人
まず結論から。教員時代、わたしが「この親御さんとは関わりやすいな」と感じたのは、決して「いつも褒めてくれる人」でも「学校に協力的すぎる人」でもありませんでした。共通していたのは、「子どもを真ん中において、一緒に考えようとしてくれる人」。ただそれだけです。
たとえば、何か気になることがあったとき、いきなり学校に乗り込むのでも、ぜんぶ我慢して飲み込むのでもなく、「家ではこうなんですが、学校ではどうですか?」とフラットに情報を持ち寄ってくれる。先生も人間なので、そういう「敵でも味方でもなく、同じチーム」という空気が伝わると、本当にほっとするんです。良い関係づくりの土台は、ここに尽きます。
良い関係を作る、4つのコツ

① あいさつと「ありがとう」を、ちゃんと言葉にする
いちばん基本で、いちばん効くのがこれです。行事や面談で顔を合わせたとき、「いつもありがとうございます」の一言を、きちんと言葉にして伝える。当たり前のようでいて、忙しい中だと意外と省略されがちなんです。
先生のもとには、要望や心配ごとの連絡が多く届きます。だからこそ、シンプルな「ありがとう」が、思っている以上に響きます。媚びる必要はまったくありません。ただ、感じた感謝を素直に言葉にする。それだけで、お互いの空気がやわらかくなります。
② 「先生も忙しい」を前提に動く
先生は、授業のほかにも、たくさんの仕事を抱えています。だから、連絡や相談のタイミングに、ちょっとした配慮があるだけで「分かってくれているな」と伝わります。急ぎでない相談を朝のいちばん忙しい時間に長々と……ではなく、「お時間のあるときで構いません」と添える。たったそれだけのことです。
これは「先生に気をつかいすぎる」のとは違います。お互いの状況を思いやる、対等な関係の話。今、親の立場になってみて、「先生も人間で、限られた時間の中で頑張っているんだ」と前提に置くだけで、自分自身の気持ちもずいぶんラクになりました。
③ 気になることは「ためこまず、早めに」
意外かもしれませんが、先生は「早めに相談してくれる保護者」をありがたく思っています。小さなモヤモヤをずっとためこんで、ある日いきなり大きな不満として爆発する……というのが、お互いにとっていちばんしんどい形だからです。
「こんな小さなこと、相談していいのかな」と思うくらいのタイミングが、ちょうどいいんです。早い段階なら、先生も「では少し気をつけて見てみますね」と、軽やかに対応できます。ためこまないことが、結果的にお互いの信頼を守ります。
ちょっとした相談なら、連絡帳がいちばん手軽です。先生に伝わる書き方のコツは「先生に伝わる連絡帳の書き方」にまとめています。じっくり話したいことがあるときは、個人面談の場を活用してみてください。「個人面談で聞くべきこと」も、あわせて参考になると思います。
④ 先生を「子どもの前で」立てる
これは、地味ですがとても大切なコツです。たとえ先生に思うところがあっても、子どもの前で先生の悪口を言わない。子どもは、親が先生を信頼しているかどうかを、敏感に感じ取ります。親が先生を信頼していると、子どもも安心して先生に頼れるようになるんです。
「先生がこう言ってたよ、いいね」「先生に聞いてみたら?」。こうした言葉が、子どもと先生の関係を後ろから支えます。そしてそれは、めぐりめぐって親と先生の関係も良くしていきます。先生への不満や疑問は、子どものいないところで、直接先生に伝えればいい。子どもの前では、先生を信じる側でいる。これが、わたしの考えるいちばん大事なコツです。
やらなくていいこと:差し入れ・過剰な協力・先回りの謝罪
逆に、良い関係づくりのために「やらなくていいこと」もお伝えしておきます。
- 差し入れや贈り物……多くの学校では、そもそも受け取れない決まりになっています。気をつかわせてしまうだけなので、不要です。
- 過剰な学校行事への協力……無理して何でも引き受ける必要はありません。できる範囲で十分ですし、先生もそれを望んでいます。
- 先回りした謝りすぎ……「うちの子がご迷惑を……」と過度に恐縮しすぎると、かえって本音の相談がしづらくなります。対等でいて大丈夫です。
良い関係は、頑張って「作る」ものではなく、お互いを思いやる中で「自然と育つ」ものです。気負わなくて大丈夫。
まとめ:特別なことは、何もいらない
担任の先生と良い関係を作るコツは、煎じつめれば次の4つです。
- あいさつと「ありがとう」を、きちんと言葉にする
- 「先生も忙しい」を前提に、配慮ある関わり方をする
- 気になることは、ためこまず早めに共有する
- 子どもの前では、先生を信じる側でいる
差し入れも、過剰な気づかいも、いりません。先生も親も、同じ「子どもを真ん中においたチーム」。その意識さえあれば、関係は自然と良くなっていきます。肩の力を抜いて、今日からの一年を、先生と一緒に歩んでいけますように。
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元小学校教員(指導歴10年)/3児を育てる現役の親(うち1人が小1)
教室で見てきたことと、わが子で試したことを土台に書いています。
「正解」ではなく「一緒に考えるヒント」として読んでもらえたらうれしいです。


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