「夏休みに入ったら、起きる時間がどんどん遅くなってきた……」「夜ふかしが当たり前になって、このまま2学期を迎えて大丈夫かな」。そんな心配をしているお母さん・お父さん、けっこう多いのではないでしょうか。
わたし自身、小学校の教員を10年つとめてきましたが、いざ我が子の夏休みを迎えると、毎年のように「生活リズム、崩れてきたな……」と感じます。教える側として何百人もの子どもを見てきた経験と、いま小1の子を育てている親としての実感。その両方から、今日は「夏休みに生活リズムを崩さない方法」を本音でお伝えします。
先に結論をお伝えすると、夏休みのリズムは「完璧」でなくて大丈夫。守るのは”起きる時間”ひとつだけでいいんです。理由と、崩れたときの戻し方を順番にお話しします。

なぜ夏休みは生活リズムが崩れるのか
そもそも、夏休みにリズムが崩れるのは「だらけているから」ではありません。理由ははっきりしていて、毎日決まっていた”外からの時間割”がなくなるからです。
学校がある日は、「●時に起きないと間に合わない」「●時間目はこれ」と、一日の流れが外から決まっています。子どもは、その枠に合わせて自然と動いています。ところが夏休みは、その枠がまるごとなくなります。すると、「眠いから起きない」「楽しいから寝ない」という、体の欲求のほうに引っぱられていくんです。これは大人でも同じですよね。
とくに小学校低学年の子は、まだ自分で時間を管理する力が育っている途中です。だから、リズムが崩れるのは”子どものせい”ではなく、仕組みの問題。ここを責めないであげてほしいなと思います。
崩さないコツは「起きる時間」だけそろえること
「早寝早起き」と言うと、つい「寝る時間」を先に整えようとしがちです。でも、わたしがおすすめしたいのは逆。まず”起きる時間”だけをそろえることです。
理由はシンプルで、「寝なさい」は子ども本人にはコントロールしにくいからです。布団に入っても、目がさえていれば眠れません。一方、「起きる」のは声をかけて体を起こせばなんとかなります。そして朝決まった時間に起きて、朝の光を浴びると、夜は自然と眠くなる。つまり、起きる時間を固定するだけで、寝る時間はあとから勝手についてきてくれるんです。
目安は、学校がある日の起床時間と「±1時間以内」。ふだん7時に起きているなら、夏休みも8時までには起こす、というイメージです。毎日きっちり同じでなくても構いません。大きくズレなければ十分です。
無理なく続けるための3つの工夫
① 朝いちばんに「楽しみ」を置く
「起きなさい」だけでは、子どもはなかなか布団から出ません。おすすめは、朝起きたら好きなことができる、という流れにしておくこと。朝ごはんの好きなメニュー、朝の水やり、朝だけのテレビ……なんでもいいんです。「起きたらいいことがある」と体が覚えると、起きるハードルがぐっと下がります。
② 昼寝は「15時まで・1時間以内」を目安に
夏は暑くて、お昼すぎにうとうとすることもありますよね。昼寝そのものは悪くありません。ただ、夕方遅くに長く眠ってしまうと、夜の寝つきが一気に悪くなります。目安は「15時まで」「長くても1時間くらい」。これだけ意識しておくと、夜のリズムが守りやすくなります。
③ 寝る前30分は「画面を消す」
寝る直前までテレビやタブレットを見ていると、頭がさえて寝つきが悪くなります。完璧でなくて大丈夫ですが、寝る30分前くらいから画面を消して、絵本や静かな遊びに切りかえると、自然と眠りモードに入っていきます。わが家でも、これは効果を感じています。

もし崩れてしまったら:2学期前の「戻し方」
とはいえ、夏休みの後半にもなると、どうしてもリズムが崩れてしまうこともあります。そんなときは、焦らなくて大丈夫。一気に戻そうとしないことが、いちばんのコツです。
たとえば、すっかり9時起きになってしまった子を、いきなり「明日から7時!」と戻そうとすると、まず失敗します。本人もしんどいですし、朝が”嫌な時間”になってしまいます。おすすめは、2学期が始まる1週間くらい前から、毎日15〜30分ずつ早めていく方法です。少しずつなら、体も無理なくついてきてくれます。
教員時代、夏休み明けの9月に、子どもたちの様子がはっきり二つに分かれるのをよく見てきました。スッと授業モードに戻れる子と、午前中ずっとぼんやりしている子。その差は能力ではなく、たいてい「生活リズムが整っているかどうか」でした。逆に言えば、リズムさえ戻せていれば、2学期のスタートは驚くほどスムーズになります。勉強の先取りより、よっぽど効果があると感じています。
この「2学期に伸びる子」の話は、「夏休みで差がつく」は本当?元教員が見た「2学期に伸びる子」の共通点で詳しくお話ししています。あわせて読んでいただくと、夏休みに本当に大事なことが見えてくると思います。
まとめ:夏のリズムは「起きる時間」から
夏休みの生活リズムは、神経質になりすぎなくて大丈夫です。押さえるのは、次の3つだけ。
- まず「起きる時間」だけを学校の日と±1時間以内にそろえる
- 昼寝は15時まで・1時間以内を目安に
- 崩れても焦らず、2学期前に少しずつ戻す
リズムが整っていると、9月のスタートが本当にラクになります。そしてそれは、子どもにとっても「2学期、なんだか調子いいな」という小さな自信につながっていきます。お母さん・お父さんも、どうか気負いすぎず。夏休みは、子どもにとっても親にとっても、ちょっと特別な時間です。
「起きる時間」を軸にしたうえで、1日全体をどう組み立てるかは、小1の夏休みの過ごし方|1日のスケジュール例にまとめています。よかったらのぞいてみてください。
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元小学校教員(指導歴10年)/3児を育てる現役の親(うち1人が小1)
教室で見てきたことと、わが子で試したことを土台に書いています。
「正解」ではなく「一緒に考えるヒント」として読んでもらえたらうれしいです。


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