読書感想文の書き方|小1でも書ける親のサポート手順

夏休み

「読書感想文、小1の子に書かせるなんて、無理じゃない……?」

夏休みの宿題のなかでも、読書感想文は「親のサポートが前提」の難関です。まだひらがなを書くのもやっとの小1に、原稿用紙を埋めさせる。考えただけで、お母さん・お父さんがため息をつきたくなる気持ち、よくわかります。わたし自身、小学校の教員を10年やってきましたが、我が子が小1で読書感想文に向き合ったときは、やはり「これは付き合い方が大事だな」と感じました。

先に結論をお伝えします。小1の読書感想文は、子どもに「書かせる」のではなく、親が「聞き出して、書くのを助ける」ものです。やることはシンプルで、次の流れだけです。

  • ①親が質問して、子どもの言葉を引き出す
  • ②引き出した言葉を、いったんメモにする
  • ③メモを並べかえて、原稿用紙に写す

つまり、いきなり原稿用紙に向かわせないこと。これが最大のコツです。なぜ小1がつまずくのか、どう声をかけて手伝えばいいのかを、順を追ってお話しします。

小1が読書感想文でつまずく「3つの理由」

まず、なぜ小1にとって読書感想文が難しいのか。理由がわかると、どこを手伝えばいいかが見えてきます。教員時代から見てきて、つまずきはだいたい次の3つに集約されます。

① 「思ったこと」を言葉にする経験がまだ少ない

小1は、「面白かった」「楽しかった」までは言えても、「どこが・どうして面白かったか」を言葉にするのが、まだ得意ではありません。これは当たり前のことで、能力の問題ではなく、経験の量の問題です。だからこそ、親の質問で引き出してあげる必要があります。

② 書く作業そのものが、まだ重労働

小1にとって、ひらがなを書くこと自体がまだ大仕事です。「考える」と「書く」を同時にやろうとすると、頭がパンクします。「考える時間」と「書く時間」を分けてあげるだけで、ずいぶんラクになります。

③ 「上手に書かなきゃ」とかまえてしまう

意外と多いのがこれです。「ちゃんと書かなきゃ」と思うほど、手が止まります。小1の感想文は、「上手」である必要はまったくありません。素直な一言が書けていれば、それで十分合格です。まずはここを、親子で共有しておくと気持ちがラクになります。

本選びは「軽く」でいい

まず確認したいのは、「課題図書が指定されているかどうか」です。読書感想文コンクールに応募する場合は、課題図書の中から選ぶ必要があることがあります(学校・コンクールの案内をご確認ください)。一方、学校の宿題として出すだけなら、本は自由に選んでよいことがほとんどです。

自由に選べるなら、小1のうちは「子どもが興味を持ちそうな本・自分で読みたいと思った本」がいちばんです。むしろ、好きな本のほうが「どこが面白かった?」の答えがどんどん出てきます。選ぶときの目安は、「短くて、絵が多めで、主人公にはっきりした気持ちの変化があるもの」。図書館で何冊か借りてきて、子どもに選ばせるのがおすすめです。

親のサポート手順:5ステップ

ここからが本題です。小1の読書感想文は、次の5ステップで進めると、驚くほどスムーズになります。所要時間は、本を読む時間を除けば1時間ほどです。

ステップ1:いっしょに読む(または読んでもらう)

まずは本を読みます。一人で読むのが難しければ、親が読み聞かせても、交代で読んでもOKです。大事なのは「内容を味わうこと」なので、読み方は問いません。

ステップ2:原稿用紙はまだ出さず、質問で引き出す

ここがいちばん大事なステップです。原稿用紙はしまったまま、おしゃべりするように質問していきます。使える質問は、たとえばこんなものです。

  • 「どの場面がいちばん好きだった?」
  • 「主人公は、どんな気持ちだったと思う?」
  • 「もし自分が主人公だったら、どうする?」
  • 「びっくりしたところ、あった?」
  • 「読む前と、読んだあとで、なにか変わった?」

ポイントは、「なんで?」を1回だけやさしく重ねること。「この場面が好き」→「なんで好きだった?」と聞くだけで、その子だけの感想がぽろっと出てきます。出てきた言葉は、親が横でメモしておきます。

ステップ3:メモを「順番」に並べる

集まったメモを、簡単な順番に並べます。小1なら、次の流れがいちばん書きやすいです。

  1. どんな本か(「〇〇という本を読みました」)
  2. 好きな場面(「いちばん好きなのは〇〇の場面です」)
  3. その理由・思ったこと(「なぜなら〜」「わたしは〜と思いました」)
  4. 自分だったらどうするか/これからどうしたいか

この4つの順に並べるだけで、ちゃんと「感想文の形」になります。難しい構成を教える必要はありません。

そのまま使える「穴埋めテンプレート」

引き出した言葉を、次の型の___に当てはめていくだけ。これで小1でも、ちゃんとした感想文になります。このまま声に出して読みながら、子どもに答えてもらうのがおすすめです。

わたしは『___(本の名前)』をよみました。
この本をえらんだのは、___(えらんだわけ)だからです。
いちばんこころにのこったのは、___のばめんです。
なぜかというと、___だからです。
わたしは、___とおもいました。(「じぶんだったら〜」「にたことがあった」でもOK)
これから、___したいです。

たった6行ですが、これで「はじめ(選んだわけ)→なか(好きな場面とその理由)→おわり(思ったこと・これから)」という、感想文の基本の流れがそろっています。原稿用紙のマスが余るようなら、「なぜかというと」「わたしは〜とおもいました」の部分を、もう1つずつ増やせば自然に長くなります。背伸びして難しく書くより、この型を埋めたほうが、ずっと読みやすい感想文になります。

ステップ4:原稿用紙に「写す」

ここでようやく原稿用紙の登場です。並べたメモを見ながら、子どもが原稿用紙に写していきます。「考える」はもう終わっているので、あとは書くだけ。これなら小1でも、ぐっと手が動きやすくなります。マスの使い方や句読点は、横で軽く教えてあげれば十分です。

ステップ5:直しすぎない

書き終えたら、つい大人の目で直したくなりますが、ここはぐっとがまんです。明らかな書き間違いだけ直して、表現はその子の言葉のまま残す。たどたどしくても、それがいちばん「その子らしい」感想文になります。

やってはいけない「3つのNG」

最後に、親がついやってしまいがちなNGを3つだけ。これを避けるだけで、親子バトルがかなり減ります。

  • 親が文章を考えて言わせる → 子どもの言葉でなくなり、書く意味がなくなります。あくまで「引き出す」役に徹します。
  • 「もっとちゃんと書きなさい」と言う → かまえて手が止まります。「いいね、それ書いてみよう」と肯定から入ります。
  • 一気に最後まで仕上げようとする → 小1の集中は短いです。「今日はメモまで」「明日は写す」と分けてOKです。

読書感想文は、「責める」より「いっしょに言葉を見つける」もの。これは教室でも家でも、まったく同じでした。認められると、小1の子はちゃんと言葉を出してくれます。

まとめ:小1の感想文は「親の質問」が9割

小1の読書感想文でいちばん大切なのは、上手な文章ではありません。

  • 原稿用紙はあとまわし。まず質問で言葉を引き出す
  • 引き出した言葉をメモにして、順番に並べる
  • 最後は写すだけ。直しすぎない

この流れなら、小1でもちゃんと「自分の感想文」が書けます。お母さん・お父さんは、書かせる係ではなく「聞き役」。そう思うと、少し気がラクになりませんか。今年の夏は、お子さんの言葉をひとつ引き出すつもりで、付き合ってみてください。

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元小学校教員(指導歴10年)/3児を育てる現役の親(うち1人が小1)
教室で見てきたことと、わが子で試したことを土台に書いています。
「正解」ではなく「一緒に考えるヒント」として読んでもらえたらうれしいです。

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