我が子に勉強を教えるとイライラする…元教員でもそうだった話

我が子に勉強を教えるとイライラする話のアイキャッチ 声かけ・親の関わり方

我が子に勉強を教えていて、気づいたら声を荒げてしまった。「なんでこんなことで分からないの」と言ってしまって、子どもの泣き顔を見て、夜にひとりで落ち込む。……このページにたどり着いたお母さん・お父さんの中には、そんな経験をして、自分を責めている方がいるかもしれません。

最初にお伝えさせてください。それは、あなたの愛情が足りないからでも、忍耐力がないからでもありません。実は、わたしも同じでした。小学校の教員を10年つとめて、何百人もの子に教えてきたわたしですら、我が子に教えるとイライラしてしまうんです。今日は、その話を正直にさせてください。

「教えるプロ」でも、我が子は別物だった

教員時代、わたしはよその子に教えるのは得意なつもりでした。何度間違えても、にこにこと「もう一回やってみようか」と言える。分からない子の気持ちに寄り添うのが、仕事でしたから。

ところが、です。我が子に同じ問題を教えていると、なぜか同じところで間違えるたびに、胸の奥がざわっとする。「さっき言ったよね?」と、つい強い口調になってしまう。教室なら笑って流せることが、なぜか我が子だと流せない。「わたし、こんなに短気だったっけ」と、自分でも驚きました。

夜、リビングで保護者が子どもをやさしく抱きしめている、仲直りの場面のイラスト
言いすぎてしまった日も、ひとことで仲直りできます

なぜ「我が子」だとイライラするのか

あとから考えて、わたしなりに思い当たった理由が3つあります。同じように悩んでいる方に、「ああ、自分だけじゃないんだ」と思ってもらえたらうれしいです。

① 期待が大きいぶん、できないと焦る

我が子だからこそ、「この子には、ちゃんとできるようになってほしい」という気持ちが強い。その期待が大きいほど、つまずいたときに「どうしよう」という焦りに変わってしまうんです。よその子になら持てる「この子のペースでいい」が、我が子だと持ちにくい。それだけ真剣だということでもあります。

② 距離が近すぎて、感情がそのまま出る

先生と児童には、ほどよい距離があります。でも親子は近すぎる。だからこちらの感情が、フィルターなしでそのまま伝わってしまう。子どもも甘えが出て、ぐずる。お互いに遠慮がないぶん、ぶつかりやすいんです。これは仲が悪いからではなく、近いからこそ起きること。

③ 家事や仕事の合間で、こちらに余裕がない

これが、いちばん大きいかもしれません。教室では「教えること」だけに集中できました。でも家では、ごはんの支度をしながら、下の子をあやしながら、教えている。こちらに時間も心の余裕もない状態で向き合えば、イライラするのは当たり前なんです。子どもの問題ではなく、こちらのコンディションの問題、というのも多いんですよね。

教員時代を振り返っても、宿題の音読や漢字の反復のように、「さっき教えたはずの同じ場所」で何度もつまずかれると、大人の忍耐は驚くほどすり減ります。よその子であれば「またここか、じゃあ違う説明を試そう」と切り替えられることでも、我が子だと「何度言ったら」という気持ちが先に立ってしまう。これは特別なことではなく、近い距離で向き合う相手だからこそ起きる、ごく自然な反応です。

我が子に教えてイライラする3つの理由と、手放していい3つの図解
がんばるより「手放す」ほうが、ラクになることがあります

わたしがラクになった、3つの「手放し」

では、どうすればいいのか。わたしが少しラクになったのは、何かを「がんばる」ことではなく、むしろいくつかのことを「手放した」からでした。

① 「親が全部教えなきゃ」を手放す

分からないところは、無理に親が教えなくていい。「これは先生に聞いてみよう」「動画で一緒に見てみようか」でいいんです。親の役割は、教師になることではなく、勉強を見守る伴走者でいること。そう思えてから、肩の力がふっと抜けました。

② 「イライラしたら、一回離れる」を許す

カチンときたら、その場で何とかしようとしない。「お母さん、お茶いれてくるね」と一回離れる。たった1分でも、距離を置くと言葉がやわらぎます。その場を離れるのは、逃げではなく、いい判断です。我慢して爆発するより、ずっといい。

③ 「完璧に教えられた日」を目標にしない

毎日、にこやかに教えられる親なんていません。「今日はちょっと言いすぎたな」と気づけたなら、それで十分です。気づける親は、ちゃんと立て直せます。完璧を目指すのをやめたら、不思議とイライラが減りました。

言いすぎてしまった日は、ひとことだけ

それでも、つい強く言ってしまう日はあります。そんな夜は、寝る前にひとことだけ伝えてみてください。「さっきは、きつく言ってごめんね。一緒にがんばろうね」

子どもは、親が完璧でなくても大丈夫です。むしろ、間違えたら謝る親の姿から、子どもは「間違えてもいいんだ」「やり直せるんだ」ということを学びます。イライラしてしまうあなたは、ダメな親ではありません。子どものことを、それだけ真剣に思っているということなんです。

まとめ:イライラするのは、あなただけじゃない

我が子に教えてイライラするのは、教えるプロでも同じです。期待が大きく、距離が近く、こちらに余裕がない——条件がそろえば、誰だってそうなります。

  • 「全部教えなきゃ」を手放していい
  • イライラしたら、一回離れていい
  • 完璧な日を目指さなくていい

今日うまくいかなくても、明日また向き合えば大丈夫。このページを読んで「自分だけじゃないんだ」と少しでも肩の荷が下りたなら、それがいちばんうれしいです。お母さん・お父さん、毎日本当におつかれさまです。

ほめ方・叱り方の具体的なコツは「子どものやる気を引き出すほめ方・叱り方」にまとめています。「勉強しなさい」がつい口ぐせになってしまう方は「「勉強しなさい」が逆効果な理由と、代わりの一言」も、あわせて読んでみてください。

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元小学校教員(指導歴10年)/3児を育てる現役の親(うち1人が小1)
教室で見てきたことと、わが子で試したことを土台に書いています。
「正解」ではなく「一緒に考えるヒント」として読んでもらえたらうれしいです。

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